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自家用ダンプの運搬に国交省が通知──白ナンバー利用は荷主も罰則対象に

はじめに

国土交通省不動産・建設経済局建設業課は2026年8月20日、「建設現場等で使用する自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」と題する事務連絡を発出しました。白ナンバーのダンプカーで資材や土砂を運ぶ場合に、どこまでが許可不要で、どこからが違法な「白トラ」に当たるのかを整理した内容です。この記事を読むと、通知が示した線引きと、2026年4月施行の改正法で委託する側の建設会社にも罰則が及び得るようになった点が分かります。

何が起きたのか

通知は、建設業者団体の長のほか、民間発注者団体、都道府県、市町村に宛てて発出されました。背景には、1日に複数の事業者の資材を運ぶ場合に運転者が誰と雇用契約を結ぶべきかが分かりにくい、という実務上の声があったとされています。

あわせて公表された周知チラシには、「違法な『白トラ』行為に係る違法性の判断基準は、従前から変わらない」と明記されています。規制が強化されたわけではなく、現場で日常的に行われている運搬のどれが許可不要に当たるのかを行政として言語化した文書という位置づけです。通知では運転者の雇用契約の帰属先が5つの類型で整理され、労働条件通知書と車両使用通知書のひな形も同省のウェブサイトで配布されています。

【用語解説】白トラ・一般貨物自動車運送事業とは

一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で自動車を使って貨物を運送する事業のことです。貨物自動車運送事業法第3条により、経営しようとする者は国土交通大臣の許可を受けなければならないとされ、許可を受けた事業用自動車にはいわゆる緑ナンバーが交付されます。

白トラとは、この許可を受けないまま、白ナンバー(自家用)の車両で有償の貨物運送を行う行為を指す通称です。

荷主とは、運送を委託する側の事業者のことです。建設会社が土砂や資材の運搬を外部に頼む場面では、その建設会社自身が荷主の立場になります。

関連する法令・制度

周知資料が示す許可不要の類型は2つです。1つは自ら所有する貨物を自ら運送する場合、もう1つは自社の生業と密接不可分かつ付帯する業務として運送を行う場合で、後者の例として「建設業者が請け負った工事の施工に必要な資材を運搬する場合」が挙げられています。いずれも、運転者との間に雇用関係があることが前提とされています。

罰則については、貨物自動車運送事業法第70条第1項第1号が、第3条の許可を受けずに一般貨物自動車運送事業を経営した者を、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、またはその併科と定めています。

さらに、令和7年6月11日公布の「トラック適正化二法」(令和7年法律第60号・第61号)のうち、違法な白ナンバートラック利用に関する荷主規制は2026年4月1日に施行されています。国土交通省の荷主向けリーフレットでは、許可を受けていない事業者へ運送を委託した荷主等は100万円以下の罰金の対象となり、トラック・物流Gメンによる是正指導の対象にもなると説明されています。

中小建設会社への影響

第一に、委託する側の責任が明確になった点です。白トラの問題は運ぶ側の話と受け止められがちでしたが、2026年4月以降は委託した建設会社自身が罰則や是正指導の対象になり得ます。許可の有無を確認する視点は自社だけの問題ではなくなっており、この考え方は建設業許可の29業種とは?で整理した許可制度の見方とも通じます。

第二に、書類の整備です。1日に複数の事業者の資材を運ぶ運転者については、事業者ごとに労働契約を締結し、労働条件通知書と車両使用通知書をあわせて交付することが適切とされています。口頭の取り決めでは、適法であることを後から説明する材料が残りません。

第三に、下請構造への波及です。改正法では運送の再委託を2次までに制限する努力義務が設けられ、元請となる貨物利用運送事業者には実運送体制管理簿の作成義務が課されます。車両が絡む事故は賠償・工事中断・信用低下が同時に起こりやすい領域でもあり、法人リスクマネジメントの観点からあわせて点検しておくと整理しやすくなります。

経営者が確認したい3つのポイント

□ 自社ダンプが「誰の荷物」を運んでいるかを工事ごとに整理する
運行日報と工事日報を突き合わせ、自社所有の資材か、発注者支給材か、資材業者が販売した資材かを区分します。自社が請け負った工事に必要な資材かどうかが線引きの起点です。

□ 運転者との雇用関係と交付書類の有無を点検する
運搬に従事する運転者が誰と雇用契約を結んでいるかを労働条件通知書で確認します。複数の事業者の資材を運ぶ日がある場合は、事業者ごとの通知書と車両使用通知書がそろっているかを総務・労務担当者が点検します。

□ 外注先のナンバーと許可を発注前に確認する
運搬を外部に委託している場合、その事業者が一般貨物自動車運送事業の許可を受けた緑ナンバーかどうかを、契約書や許可証の写しで確認します。発注前の確認手順を社内ルールに組み込むことが考えられます。

よくある質問

Q. 自社の現場に自社のダンプで資材を運ぶだけでも許可が必要ですか。

A. 国土交通省の周知資料では、自ら所有する貨物を自ら運送する場合や、請け負った工事の施工に必要な資材を運搬する場合は、許可を要しない類型として整理されています。ただし、運転者との間に雇用関係があることが前提とされています。

Q. 下請会社や個人に土砂の運搬だけを頼む場合はどうなりますか。

A. 運搬そのものを有償で委託する形であれば、委託先が許可を受けた事業者かどうかが問題になります。2026年4月施行の改正法では、許可のない事業者に委託した荷主等も罰則の対象とされており、発注前の確認が重要になります。

Q. 車両使用通知書とは何を記載する書類ですか。

A. 国土交通省がひな形を公表している書類で、運転者が使用する車両と、その車両をどの事業者の業務のために使うのかを明らかにするものです。複数の事業者の資材を運ぶ場合は、労働条件通知書とあわせて事業者ごとに交付することが適切とされています。

まとめ

今回の通知は新しい規制を作るものではなく、現場で当たり前に行われてきた運搬の適法性を改めて言語化したものです。自社のダンプが誰の荷物を運んでいるか、運転者との雇用関係と書類がそろっているか、外注先は許可を受けた事業者か。この3点について、自社ではどうか確認してみてはいかがでしょうか。建設業に関わるリスクの全体像は建設業の方へでも整理しています。

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出典

本記事は建設業に関わる一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の保険会社または保険商品の推奨・勧誘を目的とするものではありません。制度・法令の内容は掲載時点のものです。実際の適用は個別の事情により異なりますので、詳細は所管官庁または専門家にご確認ください。当社の勧誘方針はこちらをご覧ください。

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