建設業が中部3県の倒産ワースト業種に──件数より”負債額6割増”が示す経営リスク

はじめに

報道によると、東京商工リサーチ名古屋支社が2026年6月3日に発表したデータでは、中部3県(愛知・岐阜・三重)の2026年5月の倒産件数(負債総額1,000万円以上)は前年同月比4%減の65件となりました。しかし業種別では建設業が18件と最多業種となっています。

何が起きたのか

現時点で公表されている情報では、2026年5月の中部3県全体の倒産件数は3カ月連続で前年を下回り、数のうえでは落ち着きを見せています。一方で、負債総額は217億9,500万円と前年同月比58%増と大幅に膨らんでいます。建設業が件数で全業種のトップとなり、1件あたりの規模が大きい倒産が増えていることがデータから読み取れます。

中小建設会社への影響

件数が減少しているからといって、建設業の経営環境が改善したとは言い切れません。注目すべきは負債額の急増です。これは、規模の大きな会社でも経営破綻に至るケースが出ていることを意味します。資材費・人件費の上昇が続くなか、受注価格への転嫁が追いつかない中小建設会社では、じわじわと体力を削られているケースが少なくありません。

経営者が確認したい3つのポイント

受注単価は原価上昇に追いついているか
労務費・資材費の上昇に合わせて、見積もりや受注価格を見直していますか。2025年12月に全面施行された改正建設業法では「著しく低い労務費での契約禁止」が明文化されました。適正単価での受注体制を改めて確認する機会です。

半年先の資金繰り見通しを立てているか
倒産の多くは赤字より「資金ショート」が引き金になります。受注量が増えているときほど、入金・出金のタイミングのずれに注意が必要です。半年先まで見通した資金繰り表を定期的に更新する習慣が、リスクの早期察知につながります。

協力会社・外注先の状況を把握できているか
取引先の建設会社が倒産した場合、工事が途中で止まるリスクが生じます。普段からコミュニケーションを取り、複数の協力先を確保しておくことが、工期リスクを軽減する備えになります。

まとめ

件数の減少に安心せず、負債額の増加が示すリスクに目を向けることが大切です。自社の受注単価・資金繰り・外注先の状況を、この機会に確認してみてはいかがでしょうか。

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