📞 052-901-3700 平日 9:00〜17:30

熱中症対策が法律で義務化されて1年。建設現場での対応、本当に整っていますか?

はじめに

報道および厚生労働省の公表情報によると、令和7年(2025年)6月1日に労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策が一部の事業者に義務化されました。施行から1年が経過した現在、建設業では依然として全業種の中で最も多くの熱中症による死傷者が発生しているとされており、改めて対策の徹底が求められています。

何が起きたのか

現時点で公表されている情報では、改正労働安全衛生規則において、WBGT(湿球黒球温度)28度以上または気温31度以上の環境で、継続1時間以上または1日4時間を超える作業を行う事業者に対し、「報告体制の整備」「対応手順の作成」「関係者への周知」が義務付けられました。また令和8年(2026年)3月には厚生労働省が新たな「職場における熱中症防止ガイドライン」を策定しており、求められる対策水準がさらに引き上げられています。義務違反には、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

中小建設会社への影響

建設現場は屋外かつ身体を使う作業が多く、夏季の熱中症リスクは他業種と比較して特に高い環境です。厚生労働省の統計によれば、建設業は熱中症死傷者数が全業種の中で最も多く、死亡者においても同様の傾向が見られます。法令上の義務化に加え、2026年3月策定のガイドラインへの対応も求められており、「以前からの慣習で対応してきた」という体制では不十分となるケースが出てきています。現場任せにせず、会社として仕組みを整える必要があります。

経営者が確認したい3つのポイント

「誰が・どこに報告するか」を文書で決めているか
熱中症の疑いがある作業員を発見した際の報告ルートと対応手順を、事業場ごとに書面で定めることが義務化されています。口頭での申し合わせだけでは法令上の要件を満たさない可能性があります。現場ごとに手順書が作成・周知されているか確認してください。

WBGT(暑さ指数)を現場で把握できているか
対策義務が発生する目安となるWBGT値を現場で計測・確認できる体制があるか見直してください。スマートフォンのアプリや簡易測定器を活用している企業も増えています。「気温だけで判断している」という場合は対応が必要です。

2026年3月の新ガイドラインの内容を確認しているか
厚生労働省が2026年3月に改定した熱中症防止ガイドラインでは、これまでの「早期発見・対処」に加え「発症そのものの抑制」が重点事項として加わりました。自社の安全管理規程やマニュアルが新ガイドラインに対応した内容になっているか確認することをお勧めします。

まとめ

熱中症対策は「気をつけよう」という掛け声から、法的な義務へと変わっています。自社の現場体制が法令・ガイドラインに沿っているか、この機会に確認してみてはいかがでしょうか。

自社の経営体力は大丈夫か?建設業の倒産が12年ぶり2,000件超え、中部地域は特に深刻

はじめに

報道によると、帝国データバンクが2026年1月に発表した調査では、2025年の建設業倒産件数が前年比6.9%増の2,021件となり、2013年以来12年ぶりに2,000件を超えたことが明らかになりました。特に中部地域(愛知・岐阜・三重など)では前年比17.8%増の291件と、全国9地域の中で最も大きな増加幅を示しています。

何が起きたのか

現時点で公表されている情報では、倒産増加の主な要因として、人件費の上昇、建材価格の高止まり、工期延長によるコスト増が重なり、請負単価への転嫁が追いつかない状況が続いていることが挙げられています。「人手不足倒産」は前年比14.1%増の113件、「物価高倒産」は240件に上りました。また、東京商工リサーチによると、倒産以外の「休廃業・解散」も初めて1万件を突破しています。倒産企業の約58%は負債5,000万円未満の中小・零細業者が占めています。

中小建設会社への影響

愛知県を含む中部地域は全国で最も倒産増加率が高く、地域の中小建設会社にとって他人事ではない状況です。倒産企業の多くは売上を伸ばしながらも手元資金が不足し、運転資金が確保できずに行き詰まるケースが目立ちます。また、経営者の平均年齢が60.3歳と高齢化が進んでいる中、後継者不在のまま廃業に至る企業も増えており、取引先の急な廃業が自社の工程や資金繰りに影響するリスクも無視できません。

経営者が確認したい3つのポイント

手元資金と月商の比率を確認する
売上があっても倒産するケースが増えています。月商の何ヶ月分の運転資金が手元にあるか、改めて確認してみましょう。資金繰り表を作成していない場合は、今すぐ着手することをお勧めします。

主要取引先・外注先の経営状況を把握する
取引先や下請け業者の突然の廃業は、工程遅延や未収金のリスクに直結します。長年の付き合いに頼らず、定期的に取引先の財務状況や経営継続意欲を確認する習慣をつけることが重要です。

コスト増を契約に反映できる仕組みがあるか確認する
2025年12月に全面施行された改正建設業法では、資材価格変動に対応した請負代金の変更協議が契約事項に加わりました。既存の取引慣行や契約書がこの新しいルールに対応しているか、確認しておきましょう。

まとめ

建設業の経営環境は引き続き厳しい状況が続いています。自社の資金繰り・取引先リスク・契約内容について、この機会に改めて確認してみてはいかがでしょうか。

解体現場でエレベーターが落下し作業員が死亡──自社の昇降機管理を改めて確認を

はじめに

2026年6月9日、報道によると、大阪府堺市の工場跡地で解体作業中に資材搬送用の仮設エレベーター(重さ約10トン)が落下し、62歳の男性作業員がその場で死亡する事故が発生しました。建設・解体現場における昇降機の安全管理の重要性が、改めて問われています。

何が起きたのか

現時点で公表されている情報では、男性はエレベーターのかごの上に乗り解体作業を行っていたとみられています。別の作業員がチェーンの切断作業を行っていた際にエレベーターが落下。男性はエレベーターと壁の間に挟まれ、資材の下敷きにもなりその場で死亡が確認されました。詳細な事故原因については現在調査中とみられます。

中小建設会社への影響

仮設エレベーターや建設用リフトは、大型工事だけでなく改修・解体工事でも多く使用されます。作業手順が不明確なまま解体を進めると、今回のような重大事故につながるリスクがあります。また、労働安全衛生法では、こうした機器の操作・解体には資格や特別教育の受講が義務付けられており、不備があれば事業者が是正指導や罰則の対象となる可能性があります。

経営者が確認したい3つのポイント

仮設昇降機の設置・解体作業計画は書面化されているか
解体・改修工事で仮設リフトを使用する場合、作業計画を書面化し、関係作業員への周知が基本です。計画書の有無と運用状況を確認しましょう。

重量物作業中の立入禁止区域は設定されているか
エレベーター解体や重量物の吊上げ中は、落下物リスクのある区域への立入禁止措置(標識・柵の設置)が不可欠です。現場の運用を見直してみましょう。

担当作業員の資格・特別教育の受講状況は把握できているか
建設用リフトの操作・点検には特別教育の修了が必要です。担当者の受講履歴と資格証の保管状況を定期的に確認する仕組みがあるか見直しましょう。

まとめ

解体・改修現場での仮設昇降機の管理は見落とされがちな盲点です。自社現場で同様のリスクがないか、この機会に改めて確認してみてはいかがでしょうか。

今夏、対象職種がさらに拡大へ―自社の見積書は「標準労務費」に対応できていますか?

はじめに

改正建設業法が2025年12月に全面施行され、「標準労務費」制度が始まりました。現時点で公表されている情報では、型枠・鉄筋など13職種で基準値が設定されており、今春から夏にかけて内装・鉄骨など12職種の追加が予定されています。

何が起きたのか

国土交通省は改正建設業法に基づき、建設工事の見積書に労務費を内訳明示する「標準労務費」制度を整備しました。報道によると、2026年1月時点で型枠・鉄筋など13職種の基準値が公表されており、元請・下請を問わず全ての建設業者に適用されています。さらに今夏にかけて内装や鉄骨など12職種が追加される見通しが示されています。

中小建設会社への影響

今回の制度拡大により、自社が手がける工事の職種が新たに対象となるケースが出てきます。見積書への内訳明示が努力義務となる職種が増えるため、現在の書式や商慣行を見直す必要が生じる場合があります。また、著しく低い労務費での下請契約は禁止されており、違反した場合は行政処分の対象となる可能性があることも、改めて確認が必要です。

経営者が確認したい3つのポイント

自社の見積書で労務費が内訳明示されているか確認する
改正法では、元請・下請を問わず見積書に労務費等の内訳を記載することが努力義務とされています。自社の見積書様式が対応しているか今一度ご確認ください。

下請業者への支払いが標準労務費の基準を下回っていないか確認する
著しく低い労務費での発注は法律上の禁止事項です。既存の下請契約や発注単価が基準値と比べてどの水準にあるか把握しておくことが重要です。

今夏追加予定の12職種(内装・鉄骨等)が自社業務に関係するか確認する
国土交通省が追加を予定している職種に自社や協力会社の業種が含まれるか、事前に情報収集しておくことをお勧めします。

まとめ

標準労務費の対象職種は今後さらに広がる見込みです。自社の見積書・下請契約・支払い単価が適切に対応できているか、この機会にご確認してみてはいかがでしょうか。

^